【取引トラブル予防】契約書の締結日を決める際の注意点

リスク回避・法務
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  1. 契約書の締結日をいつにしたらいいかわからない。
  2. 契約の効力は契約書の締結日から有効なの?
  3. 今まで契約書なしで取引していた相手と契約するときの締結日はどうするか?

という点で悩んでいる方向けの記事です。

マヒロ

企業法務歴7年、法務部門の立ち上げ・運用を任されていました。顧問弁護士や外部の国際弁護士と数多の契約書をこなしつつ、ビジネス実務法務検定3級(ビジネス法務リーダー)を取得しています。

契約というと難しそうですし、実際わかりにくい、かみ砕いて解説していきます。

契約書は取引の重要な約束を書面化したもので、万一取引上でトラブルとなったときにその約束の証明書として効果を発揮します。(裁判でも有効です)
そのキーポイントとなるのが「契約の効果がいつからいつまでか」という「有効期間」です。しかし「締結日」はその「有効期間」と必ずしも同義ではありません。

これを踏まえて上述の疑問について解説していきます。

契約書の締結日はいつがよいか

契約書の締結日は、文書として成立した年月日にしておくとトラブルが少ないと思います。
なので、「契約当事者全員が記名・押印した日」が理想的といえます。
この「文書として成立した日」は印紙税の課税対象となった日とも言えるので、印紙税の点でも疑義がなくなります。

以下のようなケースもありますので、取引相手と事前に「締結日を何日にしておくか」を決めて、日付入りで作成するとよいと思います。

・契約の効力がはじまる日(「有効期間」の始まりと同じ日)
・正式な契約書を作成した日(契約書の最初の人が押印した日)
・契約当事者全員が記名・押印した日(最後の契約者が押印した日)
・契約内容に双方が合意した日(=「契約」をした日)
※「契約」は口頭でも「合意」すれば成立します。

重要なのは「有効期間」

契約した内容がいつからいつまで有効かは「有効期間」で定めます。
契約書の条文では「有効期間」という条項を設けることが一般的です。市販されている契約書のひな形でも必ず入っている「一般条項」ですのでひな形を使うときは忘れることはないと思いますが、相手方のひな形を使う時は、きちんと明記されているかを忘れずにチェックしておきましょう。

また継続して取引をする場合は、「有効期間を自動更新」することが書かれていることが多いです。1年単位で見直したいときは、その旨契約書に明記しておきましょう。

気になる点として、
・締結日よりも過去から効力があるのか?
という点ですが、仮に、10月1日を締結日であっても、有効期限を「9月1日から1年間」として契約書を締結すれば、効力は9月1日から発揮されます。

古い取引先と、改めて契約書を交わす場合

私が所属している会社は60年以上続いていて、初期の頃からの取引先とは契約書がない場合も多かったです。大手取引先は相手もしっかりしていて契約書をかわしていますが、中小企業様が相手の場合、契約書を交わしていることはほぼなかったです。

私がとった方法は、下請法の改定など法改正のタイミングで、改めて契約書締結をお願いしていきました。組織内で「法務部門ができたから」といって、契約締結をお願いに行くのも口実としてはよいかと思います。ほとんどの場合、契約書自体は締結してくれるでしょう。(もめるのは収入印紙をどちらが貼るか、くらいだったと思います。各々で印紙を貼ればよいだけですが)

古い取引先と改めて契約書を交わす場合の「締結日」「有効期間」ですが、締結日は文書を作成した日でも相手と合意した日でもよいと思います。
有効期間は、昔に遡るのも古すぎると意味ないと思いますので、期のはじめの4月1日や締結日などを開始日として1年間、があまりトラブルにならないかなと思います。
長年取引してきた相手との有効期間なら「自動更新」としていてもよいでしょう。
※万一、有効期間より以前の取引でトラブルがあった場合は、見積書・注文書・注文請書などで合意を証明できる場合がありますので書類はしっかり残しておくべきでしょうね。

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すべてにおいて重要なのは「双方の合意」

契約そのものにも言えますが、締結日をいつにするか、有効期限をいつからいつまでにするか、はすべて契約する双方の合意が重要です。契約書はそれを文書にしたにすぎません。この点はしっかり認識しておいてください。

まとめ

●契約書は「契約」を書面化してもの。
 トラブル時、裁判でも有効な証拠となる。

●契約書に記載する締結日は以下のいずれでも可。
 おすすめは③。ただし契約書に予め記名しておく方がよい。
 ①契約の効力がはじまる日(「有効期間」の始まりと同じ日)
 ②正式な契約書を作成した日(契約書の最初の人が押印した日)
 ③契約当事者全員が記名・押印した日(最後の契約者が押印した日)
 ④契約内容に双方が合意した日(=「契約」をした日)

●契約の有効期間は締結日と同じでなくてもよい。
 締結日よりも遡って明記する場合もある。

●契約はとにもかくにも「双方合意」が重要。

最後に困ったときの対処ですが、やはり弁護士への相談がよいと思います。それもこじれる前からの相談が理想的です。弁護士はトラブルが起きる事例をよく知っています。そのトラブルを回避するための「契約書の作り方」もよく知っています。重要な契約であればあるほど、弁護士への相談をしておいてください。
私もとことん相談しまくりました。(そのおかげもあり、契約書の知識はけっこう自信があります)

おまけ~海外企業との契約の場合~

日本の弁護士からではなく、海外を相手にする国際弁護士に相談した際に知ったとこですが、海外の企業相手だと、最後にサインした日を締結日とすることがほとんどとのこと。海外企業相手だと、締結日に加え、締結地も気を配っておきたいものです。海外企業との契約書はいろいろ日本と違いがあったので、またまとめたいと思います。

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